2012-01-01から1年間の記事一覧

経常収支黒字は日本にとってそんなに大切なのか ― 貯蓄・投資バランスから見た一考察

Will Current Account Surplus Matter So Much to Japan? A Perspective from Its Savings-Investment Balance弊学部の紀要に、人知れず実にひっそりと、こんなん書いてみたりした。 ・・・ふーん、それで??http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/ir/college/b…

素朴な疑問への私なりの回答

昨晩、World Economic Forumの元同僚でGlobal Leadership Fellows Programme(以下GLF)を運営するJuraj Ondrejkovicと京都で飲んだ。彼はスロバキアのブラティスラバ出身。ちなみにGlobal Leadership Fellows Programmeとは、ダボス会議などを運営するWorld…

he said she said battle

愛国心自体が悪いわけではなく、その表し方の違いによって国民の成熟度が見えてくるのだろうと思います。放火・投石・略奪行為を許すことは、テロを許すことと何ら変わらなく、あってはならないことです。日本でも神戸の中国人学校に放火するなど、程度の差…

死生

2010年3月の帰国以来、2年半で親類が6人他界した。何度も亡き骸を見て、触れ、骨を拾った。人の死に接すると、残された人たちの生が逆に意識される。故人を偲ぶ人とか、恨めしく思う人とか、葬式で騒いでしまう子供の姿とか、相続のことで頭がいっぱいでし…

普段使わない脳

このところ、研究の大テーマ策定と計画書作成に向けて、慣れない哲学の本に明け暮れていることが多くなった。めっきり、肝心な経済のことに触れていない。今の職場での契約がちょうど折り返し地点にあったり、あるいは今はもしかしたら人生のちょうど折り返…

天安門事件で闘った友人

中国の民主化運動をアメリカの地で行っている私の大学院時代の友人、Baiqiao Tangの著作を読みました。彼の壮絶な半生が、感動的に描かれています。素晴らしい本!My Two Chinas: The Memoir of a Chinese Counterrevolutionary作者: Baiqiao Tang,Damon Dim…

相互理解、自己主張と“断念”

備忘録として、本日の印象的なもの。「相互理解から相互信頼への道程は、意外と険しいということを私たちは率直に認めるべきだと思います。相互理解から相互信頼への道は連続的ではなく、一つの飛躍が必要なのではないでしょうか。双方が自己の主張を100%展…

フィッチによる日本の格下げ

フィッチが日本国債の格付を「AA-」から「A+」に下げました。ちょっと前ですが、5月22日(火)のことです。一番気になるのが投資家の反応ですが、財務省データを見る限りは、ほとんど動きがなかったようです。 http://www.mof.go.jp/jgbs/reference/inter…

人権活動と勇気

中国の人権問題に関して。私がコロンビア大学の大学院留学時代に、統計学で一緒にグループワークをやっていた韓国のSeung-yeon Leeからの情報で知りました。統計学でもう一人一緒にグループを組んでいたBaiqiao Tang(唐柏桥)が、同じくコロンビア同期のWan…

シューベルトのdur

ロマン派音楽の幕開けをしたと思われる2人の偉大な作曲家は、おそらくベートーベンとシューベルトでしょう。これに異を唱える人はいないでしょう。2人とも殻にこもり、孤独と闘ったという意味では共通しているでしょう。ベートーベンの音楽は、「田園」で…

日本の経常収支と3.11 後の産業構造の変化に関する一考察

ということなんだけれども、何を言いたいのか、やっぱり焦点が定まらない論文が学内の紀要に掲載されちゃった。紀要って、なんでも載っちゃうからやっぱり感覚が狂う。http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/ir/college/bulletin/Vol.24-3/03Ryohei%20NAKAGAWA.p…

ショパン全書簡

学生時代の私は大バカで、書簡を読んだりポーランドの民族舞踊や文学を学んだりして、そのうえで徹底してピアノのトレーニングを積めば、他人とは違う解釈でショパンが弾けるものと本気で信じていた。もちろん、そのいずれについてもロクに努力をせず、女に…

ある晴れた日に〜 un bel di

ここの旦那はおそらく僕よりも若いのだけれども、その安定感には敬意を表したいほど。若いのに、奇をてらっていない。つけ麺を前にすると、どういうわけか背筋がピンと伸びる。それはお抹茶の茶碗を手にしたときとか、バッハを弾くときとかと、なんとなく似…

大阪で本

昨日午後、大阪での面会のため、阪急嵐山駅まで25分かけて歩いていきました。もし数年後に大学クビになったら、大阪あたりで仕事を見つけて、この道を歩いてくることになるのかしら。渡月橋は風流だけど、冬は寒いな。桜と紅葉の時期は、人だらけで遅刻す…

大分帰省

さて、2年連続となった3月の大分帰省(妻の実家)ですが、今年も車での移動となりました。法事やら何やらがあるときは大概電車での移動なのですが、3月は家族で旅行を楽しむ目的で車での長旅をしています。本業の校務・論文や TEDxKyoto | Ideas worth sprea…

竹中平蔵氏

月曜日夜にNHKでやっていた「マイケル・サンデル 究極の選択 『許せる格差 許せない格差』を興味深く視聴しました。 http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/harvard.htmlサンデル氏による議論の運営の明快さは何度見ても圧巻で、しかも今回は以前の東大で行われ…

息子(親バカごめん)

そつえんしき きてね いままで 6ねんかん ありがとう しょうがっこう いっても がんばるよ 6さいになるまで そだててくれて ありがとう ぜんたろう より 絵は、0歳から6歳までの然太郎自身。3歳の手術後からメガネを掛けている。私と同じく、とても絵心…

シゲキ的な出張、左脳も右脳も

金曜朝、大阪のリーガロイヤルホテルのラウンジで、某金融ホールディング会社の副会長と面会。この方、70歳近いのですが頭脳明晰で言葉も切れ味抜群、お会いするたびに新しい着眼点に気づかせていただいています。かつては日本屈指のインベストメントバンカ…

ソーシャル

ウェブ上の仮想社会って、これまで内外で根無し草生活をしていると、とても便利でした。そもそもFacebookが出来た当初、留学先の卒業生たちのつながりの場だったし、日本の友人たちとはmixiでつながっていたので、外国にいてもさほど寂しい思いはしませんで…

陰謀説

アメリカ嫌いは全世界でみられることで、ヨーロッパにいたときもアメリカへの冷ややかな視線を感じていました。また中東やアフリカなどがアメリカに抱く複雑な感情は理解できます。日本にももちろんいて、国内・国際情勢に応じてこの人たちが声高になるとき…

和音の喜び

最近6歳の息子と4歳の娘が、妻からピアノを習い始めた。和音について習う中で、息子が「ファ・シ」(4度)の次に「ミ・ド」(6度)を弾いた。「わー、きれい!!」と、大発見でもしたかのように、息子が感激して妻に抱きついた。こういうのを感性という…

バナー作ってみました

あまりパソコン周りが器用ではないのですが、ブログのバナーを作ってみました。仕事しなきゃいけないのに・・・。左上から上下に、AIGのCorporate R&Dの同僚、京都・地元鳥居本の送り火、New YorkのBrooklyn Bridgeとその下から望むWall StreetとAIGのビル、…

危うい論理

前職では日本にいる学識者を国際会議にお呼びする関係で、日本の政治学者や経済学者の動向を気にして見ておりました。日本を代表して、世界の論壇に議論で打って出られる方はそう多くはなく、来られる方は毎年同じ顔ぶれとなっており、英語と中身の両方を備…

お買いもの

ひとまず明日までに最終校提出のペーパー、ある程度の目途がついたので、朝食後に京都の中心街へGO! すっかり嵯峨の田舎モンになってしまったこともあり、街にでるとなんだかウキウキする。ジュンク堂書店BAL店で。住み開き―家から始めるコミュニティ…

インタゲ

経済を教える教員が経済の根本に関する見解を変更されては困る、という方もいらっしゃいましょう。しかし、やっぱり人は常に何が正しいのかを追い続けなければいけないし、その過程において考え方が変わるのは当たり前のことだと思うのですね。このEconomist…

クルマ魂

つい後ろを振り向くような、たまらんクルマを2000年代すっかり見なくなった。日本車は猫も杓子も小型化するか、ワンボックスのファミリーカーかどちらかばかり。ホンダはFITばっかりだし、トヨタのプリウスなんか、エコ以外に何がいいの?という不格好な車だ…

大学と就職

教員の仕事に就いて2年弱になりますが、元サラリーマンということもあり、また海外でお勉強&お仕事していたこともあり、これまでそれなりの数の学生から、留学や就職についての相談を受けました。相談してくるということはこれらの学生は大体それなりに優…

復興と地元金融の役割

今日のNHKスペシャル、「シリーズ東日本大震災“魚の町”は守れるか 〜ある信用金庫の200日〜」を見ていて、色々な思いが錯綜した。NHKスペシャルまずは復興融資という使命に向けて、何がプロフェッショナルかということ。金融機関同士のさや当てに翻弄されて…

僕の2011年の本たち

特に2011年に出版された本ということではなく、個人的に2011年に読んだ本で印象に残っているものをピックアップしたいと思います。今の教員の仕事を始めて2年弱になり、サラリーマン時代よりは本を読む機会が増えました。ただ、そのうちのほとんどがお勉強系…