クルマ魂

つい後ろを振り向くような、たまらんクルマを2000年代すっかり見なくなった。日本車は猫も杓子も小型化するか、ワンボックスのファミリーカーかどちらかばかり。ホンダはFITばっかりだし、トヨタプリウスなんか、エコ以外に何がいいの?という不格好な車だ。かくいう我が家もマツダプレマシーの2003年もので、走る以外に何のとりえもない。嫁が初心者なのでぶつける用に買ったら、期待どおりあちこちぶつけてくれている。

そんな中、豊田章男さん自らが乗ってパフォーマンスを披露したトヨタ86が少し話題になった。
トヨタ 86 | トヨタ自動車WEBサイト
これ、乗っていないので何とも言えないが、フロントのボリューム感がどうも貧弱に見えないかい?見た目の問題だが、見た目は大いに重要だ。

スバルのレガシーとインプレッサは、2000年代を通じて一目置くべき日本を代表するクルマだったと思う。そのスバルの新しいBRZ、あれれれ? ロゴをトヨタにしたらハチロクそっくりじゃない?
SUBARU BRZ | SUBARU
フロント、やっぱり貧弱だし、スバルの個性が出ていない。

一体何を目指しているのだろう。「心」とか「魂」はどこなのかな?


2009年、ジュネーブフィアットの店でAlfa 156のジュジャーロ・デザインBreakを買ったときのこと。ディーラーのイタリア人が日本人である私に、「なんで日本車買わないの?」と聞いてきた。ヨーロッパまで来て日本車に乗りたくはないと言うと、彼は誇らしげにイタリア語なまりの英語で、「日本車はvery goodだよ。でも魂(soul)がない。お前の買ったアルファにはあるね」って。

そんなアルファが、あの名車「ジュリエッタ」を復活させるとイタリア人の同僚から聞いた。期待に胸を躍らせ、初公開となる2010年のジュネーブ・モーターショーを息子と見に行った。日本に最終帰国する2日前だった。

アルファロメオジュリエッタ
http://alfaromeogiulietta.jp/?utm_source=google&utm_medium=adwords&utm_campaign=ppc

・・・あれ? これか? その前に出たMiTOもバランスの悪いガッカリしたクルマだったが、これはまたものすごい中途半端。

あれから約2年、日本でテレビを見ていたら、こんなCMが。

・・・あちゃー。

これが官能か? エロで仕上げたいくせに、かわいい子供たちもみせちゃったり、欲張りすぎなんだよ。こんな形で消費者におもねるようなことは、やめてほしかったなあ。

ソウルを感じないんだよなあ。