人権活動と勇気

中国の人権問題に関して。私がコロンビア大学の大学院留学時代に、統計学で一緒にグループワークをやっていた韓国のSeung-yeon Leeからの情報で知りました。

統計学でもう一人一緒にグループを組んでいたBaiqiao Tang(唐柏桥)が、同じくコロンビア同期のWangzhi Li(李望知)が「経済的犯罪によって逮捕」されたことになっていることを懸念し、中国共産党に向けてLiが無実であることと、彼の居場所を公開するよう訴えている、という話です。

ちなみにBaiqiao TangはNYベースの人権活動家で、China Peaceful Democracy UnitedというNPOを主宰しています。彼自身、1989年の天安門事件でリーダーの一人として活動し、結果捕まって投獄されていた経緯があります。たいへんな拷問を受け、数年後に刑務所から脱出し、香港・台湾を経由して米国に渡りました。

ちなみにLiは、最近重慶共産党委員会書記を解任された薄熙來 薄熙来 - Wikipedia の前妻との子なのだそうです。今回初めて知りました。Youtubeのビデオによれば、彼は共産党幹部である父に見捨てられた立場(父親への反発)と北京大法学部で受けた教育の影響もあり、天安門事件民主化を求める声に親和的だったらしいのですが、それが党に知れ渡り、危険分子としてマークされていたようです。新聞によれば、先だっての逮捕は薄熙來が大連の要職に就いていた時代に、簿氏が株主でもあった大連の某企業から不正な利益を授受した、ということらしいです。Baiquiao Tangの主張によれば、Liは父親とは近い関係になく、むしろ対立する間柄であった、と。

詳細はこちらの英文字幕で:
YouTube

ご参考記事:
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M2WV7F6K50XS01.html
Bloomberg - Are you a robot?
薄熙来长子李望知今何在?媒体曝其照片(组图) - 加拿大起点网

こういう話を聞くと、コロンビア大という環境は国際事情を学ぶケーススタディーの宝庫だったことに改めて気づかされます。もっと彼らと話をしておけばよかった、と今更ながらに思います。

右が人権活動家、Baiqiao Tang(唐柏桥)です。ハロウィンパーティでのことですので、大きな気持ちで見てください。ちなみに彼、超美人な奥さんと卒業後に結婚されました。豪華な結婚式でした。

TEDxKyotoChange TEDxKyotoChange (04.07.2012) | TEDxKyoto でHuman Rights Watch日本代表の土井香苗さんが話された内容と通じるものがあります。普段ニュースや新聞で見る中国政治のことというのはほんの氷山の一角で、その裾野にはありとあらゆる人権問題があることを、隣国にいる我々も認識しましょう。それが第一歩。アクションを起こせればさらにもう一歩。

Wangzhi Li(李望知)の安全が一日でも早く確保されるよう、切に望みます。また、土井香苗さんが仰るように「祖国に残す親類へ影響を与えるかもしれない後ろめたさと、それでも世界に発信しなければならないというたいへんな勇気」をもって訴えるBaiqiao Tang(唐柏桥)に敬意を表します。