復興と地元金融の役割

今日のNHKスペシャル、「シリーズ東日本大震災“魚の町”は守れるか 〜ある信用金庫の200日〜」を見ていて、色々な思いが錯綜した。

NHKスペシャル

まずは復興融資という使命に向けて、何がプロフェッショナルかということ。金融機関同士のさや当てに翻弄されている地元水産業者の様子が描かれていたが、政策金融公庫と抱き合わせで信用金庫からの融資が決まると、一回融資を断ったメインバンクが手のひら返したように応じる姿勢を見せた。そして脅すように全額融資または全額返済というall or nothingの条件を水産業者に突き付けてきた。思い返せば私の銀行員時代もこのような状況は日常茶飯事だったが、なにせ場所が津波から復興しようとする気仙沼での話だ。リスク分散したいなら、協調融資にしたっていいではないか。銀行の社会的使命について改めて考えさせられた。

そして国からの復興補助金の仕組みについて。設備投資の4分の3までを国と県が負担するというものらしいが、この金は設備投資が完了してからでないと入金されないらしい。つまりは金融機関からのつなぎ資金が必要になるのだが、この分のリスクを地元金融機関に負わせる仕組みということだ。地元企業同様、地元金融機関だって再建のためにギリギリの状態であるのに、この仕組みはいかがかと思う。

プロの仕事として、時として「心」が抜け落ちているものを見ることがある。我が振りを直さないと。