ソーシャル

ウェブ上の仮想社会って、これまで内外で根無し草生活をしていると、とても便利でした。そもそもFacebookが出来た当初、留学先の卒業生たちのつながりの場だったし、日本の友人たちとはmixiでつながっていたので、外国にいてもさほど寂しい思いはしませんでした。今のFacebookは、海外・日本・昔の職場や学校などのつながりが一緒くたになっているので、やはり便利。特にザッカーバーグのことが映画化されて以降、日本人と一気につながりが増えました。

もうかれこれ30年近く前ですが、子供のころアメリカに家族で暮らしていたときは、今と状況は全く違いました。インターネットもメールもないし、小学生がそう簡単に国際電話を掛けられるような時代でもないし、日本で別れた友達と(特に好きだった女の子と!!)連絡を取る手段は、もっぱら手紙でした。その手紙も、日本に届くのに3週間くらいかかっていたように記憶しています。

子供のころ、アメリカのデラウェア州で暮らしはじめて約半年後のある夜に見た夢なのですが、一つの教室の中で、その時のアメリカの小学校の友達と日本の小学校の友達が一緒になって遊んでおり、文字通り夢のような世界を仮想体験したことがありました。その頃は語学や文化の壁もあり、特に日本への未練が強かったころでした。もちろん叶うことはない夢でした。

これに近いことが現実に起きたのが、(おはずかしい)大学卒業記念のピアノ演奏会と、結婚式くらいかな。ただ、結婚式は「家」や大事なゲストへの配慮などが気持ちの大半を占めるから必ずしも夢のようなものではありませんね。あとは、葬式か。でもその時はもう死んじゃってるんだな。子供たちのために、「家」への配慮があまりないようにしておきたいと思います。

単に便利だから使っているにすぎないのですが、ソーシャルメディアは、仮想の世界でこんな「夢」っぽい環境に見せかけてくれて、時に慰められたりします。「現実」ではそうそうあることではないから、やはり人とのつながりを大切にしようと思うわけです。