エコカー減税、18年超税率

車を持っている人なら、重量税の高さには毎年イヤになっていることだろうと思います。

日本では、環境対応車は重量税が減免される仕組みになっていますね。これ自体は理にかなったいいことだろうと思います。「今の時点で」燃料効率の悪い車を購入すれば環境税を払う必要がある、というのは合理的でしょう。

しかし、ですね、「13年〜18年税率」、「18年超税率」というものもあります。これって、製造から経た年数が長いほど、税金を超過して支払う必要があるということ。18年超は10%加算されます。この合理性や、いかに。

まず認識すべきなのは、「古ければ古いほど燃費が悪い」とは言えないこと。もちろんリッター30キロとかいう次元の技術は最近の話ですが、古い中でも燃費のいいもの悪いものは様々です。古ければ古いほど排気ガスを多く排出する、というのも、メンテナンス次第。確率論的には悪くはなるのでしょうけどね。でも、単純に古いから高く徴税する、というのはおかしい。

もっとおかしいのは、この傾斜税率では廃車を促してしまうということ。燃費が多少いいのは結構なことだけれども、廃車にすることでの環境へのインパクトのほうがよっぽど大きいはず。実際、ヨーロッパなどでは古い車ほど車両税が低いのです。

自動車メーカーによる陰謀の匂いがしますが、おそらく間違いないでしょう。買い替えを促す方が自動車メーカーにとって都合がいいに決まっています。そこでは環境という経済の外部性が無視されているわけです。

税のシステムとは、その社会が目指すべき理念が宿っているべきものです。自動車重量税には、その「心」は残念ながらないと言えましょう。