外部性、内部化
このところ、自分の研究の大きな方向性を軌道修正しており、今日は備忘録として。
銀行員として見た1990年代以降の日本企業のガバナンス上の行動や、サブプライム・バブルとその崩壊の顛末をWall Streetで経験して、「個⇔全体」や「短期⇔長期」のジレンマを改善させ得るような各種試みについて検証。
たとえば非財務情報/統合報告の制度化という事例が、これまでは外部性とみなされてきたことを内部化させる試みと仮定する。いわゆるコースの定理が成立するための諸条件とどれだけ沿っているか。
コースの定理:経済の外部性は、権利がどのように割り当てられたとしても、経済主体の自発的な交渉を通じて効率的な資源配分が達成される。
条件:交渉のための費用が低い、権利の帰属が明確、情報が均衡
コース:「企業・市場・法」
- 作者: ロナルド・H.コース,Ronald Harry Coase,宮沢健一,藤垣芳文,後藤晃
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 1992/10/01
- メディア: 単行本
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もちろん、コース以降、経済外部性についてはたくさんの研究が進められてきた。ロナルド・コースは昨年他界したが、これまで論文を引用された数字は世界でもトップか、トップに近いらしい。
セン:「集合的選択と社会的厚生
- 作者: アマルティアセン,Amartya K. Sen,志田基与師
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2000/08/01
- メディア: 単行本
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色々読まなければ。