山本太郎、エスタブリッシュメント、天皇
山本太郎議員が園遊会で天皇陛下に手紙を渡したのが10月31日だからもう3週間も前のことになる。今更この話題である。でも今だから書きたいと思うことがある。
皇室のことになると、話題にあげるのがはばかられる。それは、大きな声でうったえるととにかく面倒くさいことになるから。まず、理屈じゃないということになる。血統ががほんとうに2000年続いているのであれば文句なく驚異的だと思うし、世の中に理屈が通用しないことがたくさんあることにも大いに賛成する。今回の件も、批判の多くは「常識」を説いている。もし私でも、たぶんあんなことはしない。
あとは請願法第3条に反するなどの、ルールの話をする。まあ法治国家なんだし、法の下で裁くのも結構だと思う。しかし「常識」もルールも所詮人間が寄せ集まって作ったもので、私の目にはあまり本質的な違いには映らない。社会なんていとも脆く変化するじゃないか。
今回の事件で印象的だったのは、山本議員の行為と同等かそれ以上に、世間とメディアのから騒ぎである。
11月16日付のThe Economistの記事の中で、冷徹なほど客観的に事実をさらっと書いている記事がある。読んで苦笑した。
High alert - Japan and nuclear power
最後の段落のこの部分:
At a garden party, the new member of parliament dared to hand a letter to the emperor, Akihito, about the impact of the Fukushima catastrophe. Such direct contact with a near-divine was considered an outrage by everybody in the establishment (except Akihito, who carried on chatting with him).
園遊会では、新人議員が福島の惨事のことを綴った手紙を大胆にも天皇(明仁)に手渡した。このような神に近い存在に直接接触することにエスタブリッシュメント(支配的集団)の皆が激怒した(そのまま話し続けた明仁を除いて)。