スイス中央銀行の対ユーロ上値設定のこと

ギリシャだのアイルランドだのスペインだの「その他欧州」の状況が悪く、結果として相対的にスイスフランが買われ、通貨高に悩んでいるのでした。

私が2010年3月までスイスにいた頃の感覚的な相場は1ユーロ=1.5フラン近辺で、車で5分フランスに出てよく買い物をしていました。このところのユーロ不安で、高いときは1ユーロ=1フラン近辺にまで上がってしまい、この度はスイス中銀が1ユーロ=1.2フランを上限に設定したそうな。

(ご参考:スイス中銀リリース)
http://www.snb.ch/en/mmr/reference/pre_20110906/source/pre_20110906.en.pdf

もし本当にこれが実行されるのであれば、市場の動向としはほぼ1.2フランの水準で安定しそう。実質ユーロペグに近い状態になる一方で、スイス中銀はユーロを大量に保有することになる。ということは、もしユーロが崩壊すれば、スイスフランも共倒れしますよ、と言っているようなものだね。

それにしても、世界からカネが流入する構造を作ることでスイスの独自性が保たれてきたのに、超富裕層金融立国スイスの存立基盤まで揺るがすことは・・・さすがにそこまではないか。