いじめ対策としての「道徳の教科化」?

いじめ対策として「道徳の教科化」が提案されているところに違和感を覚えます。
「高得点を取る子供はいじめをする確率が低い」とはたぶん言えないでしょう。むしろ逆の相関性だってあり得るかもしれませんね。それに、道徳を直線上にゼロから100点の間で評価するというのは、善悪二元論みたいだし、これまた全体主義っぽくてイヤだわー。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131016-OYT1T01449.htm

日本社会が一定のモラルで支えられているのは、学校での道徳教育のおかげでは決してないはずです。学校で道徳について議論することは結構ですが、基本は家庭で行うべきだと思います。現在の道徳観が衰退していると仮定すれば、学校と保護者が相互に悪循環を作っているのでしょうが、その悪循環を断ち切れるとしたら保護者のほうしかないでしょう。

「ちいさな哲学者たち」で、フランスの幼稚園で実験的に行われた哲学「的」話し合いの様子をたいへん興味深く見ました。ここでは価値観の押しつけもなく、子供たちが自ら考えてゆく様子に舌を巻きました。こういう議論を促すための教員を訓練するなら、大いに賛成します。

ちいさな哲学者たち [DVD]: