仕事と柔軟性

2010年3月、我が家はジュネーブから関西空港に降り立ち、京都に到着し、新たな生活が始まりました。

ただでさえジュネーブでの仕事と生活の片付け、京都での仕事と生活の立ち上げで奔走して腰を痛めていたところ、脱力してしまうような出来事に遭遇しました。でもなんか心のどこかで笑える出来事でもありました。

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住民登録をしに京都市右京区役所嵯峨出張所に。住民登録をするには戸籍謄本が必要なため、取り合ってもらえず。

しかたなく戸籍謄本を郵送で取り寄せるため、現在本籍を置いている東京都板橋区役所のホームページを見ると、現住所がわかる公的な本人確認資料が必要とのこと。9年ぶりの帰国2日後に、そんなものあるわけないじゃないか。

で、しかたがないから板橋区役所に電話をしたら、だったら無理です、住民票などが要りますね、と。

あ? いやいや、私いま、住民登録をするために戸籍謄本がほしいと言いませんでしたっけ??

じゃあ自分で取りに来い、それか身寄りが東京周辺にいませんか?代理申請は可能です、と。

東京に行くヒマなんてとてもないし、しかも戸籍謄本を取るために往復26000円かけて行くと思うか??
はい、たしかに東京に身寄りはいますよ。でも、仕事で忙しい人に平日あなた方の営業時間にノコノコと遠くの区役所まで行けとお願いするのは不本意です。しかも、もしたまたま身寄りがいなかったらどうするんですか? 

どうやら中川家は実在しない国民になりそうな雲行き。
鶏か卵のどっちでもいいからクレーー!!

数日後改めて板橋区役所に電話し、別の担当者が出てきたので、事情を説明すると、一転OKだって! その担当者に親展で郵送し、電話で話した人間だと一筆書いて、あとはあたかも窓口に来たかのような対応で返送します、とのこと。

我が家は晴れて戸籍謄本を入手し、住民登録ができたのでした。

わが振りを考え直す出来事で、どの国も一緒だなと、つくづく。このあと数年の間に、戸籍制度なんていらないんじゃないかと思わせる出来事が幾度と起きるのでした。