アタシの趣味の系譜
仕事に集中できず、こうしてブログなんぞ書いている場合ではないのですが、書いてしまうのです。
気づいたら、自分がワクワクする車はみんなジョルジェット・ジウジアーロによるものでした。ジウジャーロのデザインした車にはヘンなものもあるけれども(例えばスバルのアルシーオネとか)、たぶん基本はこの人のセンスが好きなんでしょう。
2009年〜2010年にスイスで乗っていたアルファ156 Break
モンブラン・トンネル出口にて
8年間のニューヨーク生活で車ガマンの後だったので、これを手にしたときは心底うれしかった。通勤そのものがワクワクすることって、あんまりないでしょ?このヤル気満々な顔がいいんです。でも、159のようなヤル気すぎて性格悪そうなほどではない、ちょうどいいお顔でした。しかも、お尻が中途半端にひらぺったい、憎めないやつ。
週末に40分かけてフランスのAnnecyに行くのが楽しみで楽しみで。FFでしたが、トルクの強い楽しい車でした。
この車を買ったときのイタリア人の店員の言葉が印象的でした。「日本人か? 日本人はいい車を作るね。でもsoul(魂)がない」と。
2010年に帰国し、妻が初めて車の免許を取ったため、8年落ちのマツダ・プレマシーを買ってボコボコにぶつけてもらいました。愛着は、ほぼゼロ。街を見ても、soulのある車に出くわすことはほぼ皆無でした。
さて、仕事柄論文を書いたりするのに夜遅くなることが多く、駅徒歩25分のへき地に帰るのが億劫な日が続きました。妻を説得し、通勤車を買わせてもらうことに。もちろん予算は限られてました。
まず考えたのはこれ。子供のころ幼稚園でメンコが流行っていて、よくスーパーカーのメンコがありました。その中であこがれていたのが、Fiat Dinoクーペでした。もちろん、買えるような車じゃないんですが。
以下、適当に写真を拝借いたします。
しかしこの車、日本のどこを探しても見つからないのです。
今こうしてブログの写真を見ても、ため息が出るぜ。いつかまたヨーロッパに住むことがあったら、乗りたいなあ。無理かなあ。この前、Discovery ChannelのWheeler Dealersでも扱っているのを見ました。
当初は1979年製のアルファロメオのアルフェッタGTV 2.0に決めそうになっていました。試乗もして、心惑わされました。
フォルムは117クーペをよりスポーティにしたような、お尻はフェアレディZのような、なんとも中途半端な感じがたまらなくよかったのです。今や日本でほとんど見かけることはありません。
しかもこのゲーセンのようにプラスチックなインパネ。たまらん。
アルファはヨーロッパでハマったこともあり、今でもブランドとしては文句なく一番好き。ただ、日本でアルファの旧車となると故障時のパーツ入手の問題や金銭面であまり現実的ではなく、どうしても手が出ませんでした。
結局選んだのは、1975年のいすゞ117クーペXC、少しラメのはいったグリーンでございます。
これも子供のころにメンコや実際に街でよく見たあこがれの車でした。
前のオーナーの方が内外装などをみごとにきれいにされいていて、ありがたい限りです。しかも、カンパニョーロのかわいいホイールを履いていて、よく似合う。
キャブ車なのもあってしばらく暖まらないとプスンプスン言ってますが、それを過ぎるとなかなか気持ちいいっすよ。京都は道が狭く信号だらけで街乗りは家族が車酔いしてしまうのですが、高速や山道でブィーンの瞬間はたまりませんねぇ。文字では説明できねえなぁ。
4つのグレードで下から2番目なのもありパワーはあんまりありません。でも古いから、実際よりも体感速度は速いよ。90キロ以上出すと、すきま風でピューピュー言ってるのがまたかわいい。エンジンルームを見ると驚くほど単純にできていて、このエンジンがゴーカートのようにブンブン走ってくれます。そして重ステ・マニュアルのおかげで、走りの気持ちよさを直接僕の手や足に柔らかい振動で伝えてくれるのです。車庫入れはめんどくせーけど。
購入以来、仕事しながらも愛車のことが気になって仕方がない。こういう気持ちになったのは、いつ以来だろう。早く乗りたい。愛撫したい・・・。
でも今週は年度末で飲み会が重なり、ガマンして電車で通勤した。飲みがないと、なぜかちょうど雨が降った。雨の日に旧車に乗るべきでないのは鉄則だから、さらに恋しくて仕事に身が入らずに困る。
通勤用なのに雨の日に乗りたくない。意味ないじゃん。京都の梅雨が怖い。